雲游拳房BLOG

螳螂門を中心に、武術全般について取り扱います。当BLOGは螳螂門を代表するものではありません。 文責はすべて片桐個人に帰します。無断転載・無許可の引用を禁じます。

雑感

新宿区に引越ししてから数日が過ぎた頃、
自転車の乗っての仕事帰りに、
通り道の近所の公園で大学生のグループが、
夜遅くまで武術を練習しているのに気付きました。

その後、遠くから何回か練習を拝見し、
ある時思い切って声を掛けさせていただきました。
とても礼儀正しく、真面目で、熱心な大学生さんたちでした。
自分の同年齢の頃をふと思い出して、すごく恥ずかしくなりました。
功夫のレベルも態度も素晴らしい若者たちでした。

私の先生方の若い頃に比べて、
確かに私は環境的にも情報的にも非常に恵まれていました。
ただ私自身はそれを活かしきれていなかったように思います。
今の学生さんたちは若い頃から高いレベルに達し、
しかもそれだけに慢心せず非常に熱心ですね。
生活や学校、仕事を言い訳に数年の間、
武術を置き去りにしてきた自分が悔やまれます。

彼等の中の一人が去年中国留学へ旅立ち、
また他にも今年から留学される方も居られるとお聞きしました。

彼等の武術学習の成功と留学生活が愉快であらんことを祈ります。


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母なる拳、『三錘』

六合螳螂拳の基本功に「三錘」がある。
その名のとおり連続する三回の突きを行う拳勢である。
その動作は非常に単純なものでありながら、
私の学ぶ一門では「母拳」の別称で讃える重要な單式でもある。

六合の思想と原則が理解されれば、
門の大半(拳理、リズム、角度等)をこれだけで学ぶことが出来るという。

龍口傳單香稜師爺系では、
始めに馬歩や坐山鶏歩(三七歩)の定歩での練習があり、
続けて七種類の練法を学ぶ。

① 進歩三錘 
② 進退歩三錘
③ 順歩三錘 
④ 拗歩三錘
⑤ 龍形歩三錘
⑥ 上三錘
⑦ 下三錘。

拳理の理解のため対練も行う。

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在りし日の林基有師父

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99年夏、龍口市師父宅での写真です。
見入ってるのは澤田容子女史、技を受けているのは大嶋睦弥氏。

以前ある日本人の先輩から、功夫は写真上にも現れる、とお話を伺いました。その後その御方は、もちろん写真をとる目的のために造ったカタチでは意味無いけどな、と続けられていました。

最近、本当に実感します。

師父が何気なく技をかけた後の残心を写し取った一葉です。
カメラを意識すらせず、体に多少の崩れは見られるものの、
おさめるべきものは見事におさめています。

振り返って自分自身・・・、まだまだ道は遠いです。

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林師父と私

夜の練習が終わった後、床に就く前に、師娘(師父の奥様)に内緒で(多分ばれていたと思います)師父とよく晩酌を共にしました。小さなコップにほんの少しだけ白酒を入れて、少しづつ嘗めるようにして飲みました。もちろんつまみなどはなく、肴は師父との「お話し」だけでした。話の内容は、師父の人生から武術、世間のよしなし事、そして龍口の風土風俗などにも及んだものです。
私の大好きな大好きなひとときでした。

ある晩のこと、突然、林師父が私に言いました。
「陽、お前は本当に俺に似ているなぁ。」
「えっ?」
「脾気怪(変人、頑固者などの意)な所なんかそっくりだな。」
「・・・。」(苦笑)
「武術を職業にしない所も華やかさが嫌いな所なんかもそうだな。」
「単に師父の真似をしているだけですよ。」
「・・・損するぞ。」(笑)
そしてガハハハと大笑いしながらトイレへと去っていかれました。

ある日の練習中、林師父に尋ねました。
「師父の技は本当に宝物の様ですね。
なんで世に広めようとは考えないのですか?
これだけ価値があるものを埋もれさせてしまうのは、あまりにも惜しいですよ。
このまま世間の誰にも知られないなんて、なんだか私の方が悔しい気がしますよ。」
師父はニヤッと笑いながらこう答えられました。
「お前が知っているじゃないか。
お前の師兄弟たちも知っている。
俺はそれでいいと思う。
俺は自分の命(人生、天命などの意)を知っている。
これが俺の命だ。
俺の技はお前やお前の師兄弟たちが受継いでくれれば良い。」

朴訥で頑固でちょっぴり短気な林師父。
お茶目で笑い話をするのが大好きな林師父。
畑の畦道を三輪バイクに二人乗りして走ったこと、
夏の日差しの中真っ黒になりながら釣りをしたこと。
師父を想うと泪がこぼれそうになり、
こみ上げてくる感情を抑えるのが大変です。

縁をいただき、師父と出会うことができたのは本当に幸せでした。

私が六合螳螂拳を本門にしているのは、
何よりも林師父が大好きだからなのかもしれませんね。

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研究仲間募集

あちこちから尋ねられることも多くなりましたので、スタンスを明確にしておきます。

「雲游拳房」では武術研究の仲間を募集しています。

「雲游拳房」は片桐個人が私的な教授、研究、交流の場として開いている場地です。
この集まりは現在、どこの団体会派にも所属する予定はありません。

ただし原則的に現在他会派に入門されている方の入会は固く御断りしております。
他会派の方で交流練習を希望される場合は、把兄弟からの紹介、もしくは私からの招待があった場合のみとさせていただきます。

中国に武術学習に行きたいが基本知識を学ぶ場所がない、でも今から日本でどこかに入門するのは躊躇われる、そんな方々も歓迎いたします。
ただしこの場合、将来に亘り互いに友好関係を築いていけることが第一の条件です。
私個人の門に縛りつけず、中国武術の基本功や基本知識を指導していく方針です。
将来の中国での老師探しも相談に乗ります。

練習及び研究内容は、武術基本功、伝統螳螂門及びその他の武術、器械術、功法、拳理、拳史となります。

場所時間等は御問い合わせ下さい。

体育会系のきつい練習が想定されるため、体力に自信の無い方は覚悟を御決めの上、御申し込み下さい。

会費は以下の通りとします。
 入会費 : 5000円
 月会費 : 5000円
 スポーツ保険加入予定(1500円/年)

ご希望の方はメールにて、
①名前 性別 年齢
②連絡先 住所 電話番号
③運動暦(武術武道その他)
④武術に対する希望
を書いて下記のアドレスまで御送信下さい。

この他の疑問点も以下のアドレスまでお問い合わせください。
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雲游拳房 ・ Balance Academy・教室 | コメント:4 | トラックバック:0 |

To be or not to be・・・・That's a question.

最近、武術界の先輩の方々から、
日本で武術を教える気はないのか?と尋ねられることが何度かあった。
実はそのたびに言葉に詰まってしまう。

自問自答することも多い。
自分の実力が師と呼ばれる存在に値しないことは、何よりも私自身が一番分かっている。
だから後進の指導を誤りたくない気持ちも大きい。
そして怠け心で面倒臭がる自分もいる。
教えるとなれば、体育会系のやり方で精神も感情も傾けなければならない。
それについてこられる人も少ないだろうと無駄に心配してしまう。

人に教えたことが無いわけではない。
他の武道をやっている後輩に簡単な形で武術を指導することは昔から時々あった。
また老螳螂拳研究会草加分会代表を務めていた頃、
弟弟子にして私の開門である田中大祐師弟を数年にわたり指導させていただいた。
当時六合への私自身の理解が足らず、六合本門を断片的にしか彼に教えられなかった。
それが唯一彼に対して申し訳なく思うところだ。
しかし彼のあの数年間の武術学習における成就には非常に満足している。
現在、彼は武術から離れてしまったが、自分自身の考えで判断をしっかりと下し、
礼を尽くし離れていった姿を、指導させていただいた人間として誇りに思う。

だから、門を閉ざす気は、今までも、そしてこれからもない。

ただ、もし時間と経済的な条件に余裕がある方ならば、
中国武術の故郷である大陸の地を踏み、
諸先輩方や私の様な先に行った者達が持ち帰れなかった技藝を、
より深く学んできて欲しいと強く思う。
そのための踏み台になら望んでなりたいと思う。


私に関して | コメント:8 | トラックバック:0 |
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